Antiqueな蛇腹カメラ
家の中にあった古い蛇腹式のカメラや貰ったスプリングカメラ
物心ついたことから家の中にあったカメラがこれらの蛇腹カメラです。
生まれは1954年(昭和29年)ですので、世間では距離計連動カメラが注目を浴びていた時期です。
Lマウントのライカが一世を風靡し、国産カメラの多くが右に倣えで良く似たカタチのカメラが雨後のタケノコの如く市場に溢れた時期でもありました。
但し今と違ってカメラはとても高価で一家に1台あれば良し、あっても戦前から残っているような古いカメラも普通に使われていた時代です。
蛇腹カメラは大正の頃から昭和にかけて世界中のメーカーが製造していました。
例えればカメラのカンブリア紀といった具合です。現在は死滅したものがほとんどというのもそっくりです。
その頃はただの小汚いカメラに見えましたし、金属の精密感も無く華奢な造りのスプリングカメラにはあんまり興味を持たなかったため、保管はしていても磨き倒して飾っていた代物ではないのは確かでした。
詳しい説明など出来る訳はないので、右側の写真に写っているカメラの履歴などをちょっとだけ書いておきます。
1980年頃にワタシの祖父の妹が亡くなったときに頂いたものです。
永年に渡って使用されたのは確かなようですが、頂いたのはカメラだけでしたので撮影したフィルムが残っていたかどうかは不明です。
前板のマイナスネジが一カ所紛失しているようです。
レンズはピント調節が可能なコダック・アナスチグマットF6.9という明るさのレンズが付いています。
襷(タスキ)の部分はクロームメッキではなくニッケルメッキだろうと思われます。
家の中にあった古い引き出しに入っていたカメラで、たぶん祖父が大阪で呉服商を営んでいたときに買ったものだと聞いています。ガラス乾板で撮影していたようで、その当時のものが今も残っています。
レンズは当時の最高級レンズと言われたテッサー105mm F4.5が付いていてコンパーシャッターと組み合わされています。
レンズが取付けてある前板の右上(撮影者から見て)のネジを回してゆくとシフト出来るようになっています。ピントを合わす方法は後ろのカバーを開けると磨りガラスのピントグラスがあり、それを使ってピントを合わせてからカットフォルダーに差し替えて撮影したようです。
現在の4×5などと同じような機構になっています。
イコンタシックス521/16というブローニーフィルムを使用する折畳式の蛇腹カメラで、1970年頃に近所の同級生の家にあったのをワタシが持っていたコンパクトカメラと交換したものです。
初期のイコンタシックス520/16には二重撮影防止装置が付いていなかったのですが、521/16にはカメラボディの右上(撮影者から見て)にフィルム巻き上げを兼用した二重撮影防止装置が付いています。
レンズはノバー・アナスチグマート75mm F4.5が付いており、シャッターはプロント(PRONT)だと思われます。
ワタシが生まれたときに父親が写真を撮るために中古で買ったカメラだと聞いています。
小学生の頃、運動会などでも父はこれを使って写真を撮っていました。
レンズはノバー・アナスチグマート45mm F3.5が付いており、シャッターはシンクロ付のプロンターSV (PRONTOR-SV)です。
このカメラは戦後生まれですので、しっかりとした距離計が搭載されていて基線長40mmのものが付いています。
本体後ろ側の真上にはファインダーの覗き窓があり、その左側には距離計専用の小窓が付いていて、それを覗きながら本体右上(撮影者から見て)にあるダイヤルを回し二重像合致式の距離計を合わせて、それに表示された距離メモリを読んでレンズに書かれてある距離指標を回転させて撮影します。
言葉で書くとややこしいですし、実際に現在のカメラと比べたら撮影の手間は何倍もかかります。
ファインダーは見辛いこと甚だしく、距離計に至ってはL型ライカと比べても見えにくく、M型とは比較にならない使いにくさです。
現在のデジタルカメラのようにオートフォーカス・自動露光・明るい液晶表示が当たり前の現在から見ればなんと使いにくいカメラだろうという気持ちになります。